フリードスパイクはアウトドア・レジャーを楽しむ人へ向けた小型ミニバンです。本田技研工業より2010年から2016年まで販売され、初代フリードの販売終了とともにフリードスパイクも販売終了となりました。
販売期間中はベースモデルのフリードとともに好調な売り上げを記録したため、中古車市場には豊富な在庫が存在し、中古車の購入も十分おススメできる車種です。
今回は、
- スパイクとフリード(フリードプラス)の違いは?
- フリード スパイク(FF、4wd)の燃費は悪い?
- フリードスパイクのメリット・デメリット
などを考えていきます!
フリード・フリードプラスとフリードスパイクとの違い・関係は?
ベースとなったミニバン・フリードについて
ベースとなったミニバンフリードは、ホンダが「気軽に扱えるコンパクトなボディサイズ」をコンセプトに、ボディサイズや小回り性能を重視して開発されました。
5ナンバーサイズに収められた全長4210mm、全幅1695mmのボディサイズと5.2mの最小回転半径は、駐車場での取り回しはもちろん、Uターン、縦列駐車や車庫入れをラクに行うことができます。
また、やや高めに設計された運転席とフロントコーナーウインドウは、運転席からの視界を最大限大きくし、女性や運転頻度の少ないサンデードライバーでも安心して運転することができます。
普段、軽自動車などの小型車を中心に運転をしている筆者も、機会がありフリードを運転した際には、その取り回しの良さに驚かされた経験があります。
フリードスパイクでの追加変更要素は?
このようにパッケージングと取り回しの良さに定評があるフリードに、フリードスパイクでは+αとして遊び心の要素が付け加えられました。
子育てを終えた世代をターゲットとし、大人数での乗車よりもパーソナル性を重視したコンセプトによって、3列目シートは廃止されています。3列目シートを廃止したことで生まれたスペースをラゲッジルームとして活用し、キャンプなどのレジャー向きの車として開発された。ベースモデルのフリードは家族向けのファミリーカーであすが、フリードスパイクは個人で趣味やレジャーを楽しむための車である。
エクステリアに関しては、フリードには存在していたリアクゥオーターウインドウがフリードスパイクでは廃止され、樹脂製のパネルで覆われています。これは3列目シートが存在せず車内から景色を眺めるといったシーンがないため、思い切って廃止されたと考えられます。またガラスではなく樹脂製とすることで、ボトルホルダーやフックといった細かなギミックが多く採用できるようになっています。このような独創的なアイデアは、先代モデルにあたるモビリオスパイクでも採用されており、遊び心を上手くアピールしているといえそうです。
では、遊び心をくすぐられるラゲッジルームを見ていきましょう。
乗車人数よりもラゲッジルームを重視
3列目シートが廃止されたことで、ラゲッジルームを中心としたパッケージングとなっています。
5人乗車時の荷室長は925mmと旅行時の大荷物にも対応できる十分な荷室が確保されていて、2列目シートを床面に格納することで荷室長が最大2,015mmと、2mを超える長さが確保できます。2列目シートはフィットでも採用実績があるダイブダウン式と呼ばれる床面にフラットに収納可能な方式が採用されていて、シートを前方や側面へ跳ね上げる方式と比べ、荷室長や荷室幅が確保されています。
このような工夫によって畳がすんなり積み込めるだけの床面が確保されていて、車内泊で大人が楽な姿勢で寝られる十分な空間を確保しています。
また荷室へ荷物を積み込む開口部も大きく設計されているのも特徴です。車両の両側面に採用された大型のスライドドアとリアトランクからスムーズに荷物を積み込むことができます。特にリアトランク部は、地上から開口部までの高さが515mm(FF車)と人間の膝くらいの高さに抑えられており、重い荷物でも楽に積みこむことが出来るようになっています。
荷室床下のラゲッジフロアボードには、独創的なアイデアが採用されています。通常使用時にはフラットな表面を使用し、荷物に安定感を持たせます。これは他の車種でも多く見られる機能ですが、フリードスパイクではこのフロアボードを反転し、裏面を自転車を積み込む際のスロープとして使用できるのです。このアイデアはなかなか他には無い仕掛けであり、アウトドア・レジャー向けの車両としては100点満点の装備と言えるのではないでしょうか。
このようにラゲッジルームに対するホンダの強いこだわりが感じられるフリードスパイクですが、荷室収納も豊富です。樹脂製のリアクオーターパネルの内側には、角度調整付スポットライトをはじめ、格納可能なビルトインテーブル、サイドポケット、ボトルホルダーなどが備えられており、キャンプなどで食事や小物の整理をする際にはとても重宝するでしょう。
フリードプラスとの違いは?
フリードプラスとスパイクとの違い・関係性につきましては、「フリード+(プラス)」は、スパイクの後継モデルという位置づけになります。
ベースモデルとなった初代フリードの生産終了とともにフリードスパイクの販売は終了し、フリードが2代目となってからは「フリード+(プラス)」というモデルになったということですね。
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フリード スパイク(FF・4wd)の燃費は悪い!?気になる実燃費は?
このように、ラゲッジルームにはホンダの抜かりの無いこだわりが感じられるフリードスパイクですが、走りの方はおろそかにされていないか見ていきましょう。
十分な動力性能と遠出も安心な燃費性能
荷物がたくさん積み込めても、走行性能がおろそかにされてしまっては、ラゲッジルームのアピールが帳消しになってしまいますよね。
走行性能に影響を与える部分はベースモデルのフリードと全く同じであり、前輪回りのプラットフォームは2代目フィット(GE8)のものをベースに開発されました。
パワートレインはi-VTEC付1.5L4気筒 SOHCガソリンエンジン(L15A型)と、それにIMA(インテリジェント・モーター・アシスト)システムが組み合わされたハイブリッドシステム(LEA型)の2種類が用意されました。L15A型エンジンは初代フィット、2代目フィット、モビリオ、フィットシャトルなどで採用実績があります。
駆動方式は前輪駆動(FF)と四輪駆動(4WD)が選べますが、ハイブリッドモデルはFF車のみのラインナップとなっています。変速装置は、FF車では力強い加速でスムーズな走りを実現するトルクコンバータ付CVT、4WD車ではなめらかで静かな走りと低燃費を実現する5速ATが採用されています。
レジャー用途として使用する場合、長距離の走行も考えられ、そのような場合には燃費性能が気になるところです。フリードスパイクの燃費はJC08モードでガソリンエンジンモデル16.6km/L(FF車)、ハイブリッドモデル21.6km/L(FF車)となっている。実燃費はカタログ値の7~8割ほどになる場合が多いですがが、ハイブリッドモデルを選択すれば燃費を気にせずどこまでも遊びに行けるとという印象です。
目標を上回った販売台数と豊富な中古車市場
2010年7月8日にフリードスパイクはデビューし、初月販売台数は2848台と月販目標台数2500台を超える販売台数となりました。
その後も順調に販売台数を伸ばし、2010年の合計販売台数は20,875台となっています。なおベースモデルの販売台数は74,248台です。
2011年10月にはフリードハイブリッドが販売開始となり、フリードスパイクにもハイブリッドモデルが追加されています。2011年の販売台数は21,986台でした。
2012年にはフリードスパイクが32,773台、フリードシリーズ合計では106,316台の販売台数を記録し、この年の販売台数ランキング4位を獲得しています。その後も好調な販売台数を維持し、販売終了前年の2015年の販売台数は10,316台でした。
このようにフリードスパイクは年間2万台以上販売された人気車種であり、中古車市場には在庫が豊富に存在しています。2021年4月現在、販売終了からまだ5年弱しか経っておらず、低走行距離の個体もかなりの数が中古車市場で流通しているを目にします。
豊富な在庫の中から、希望のグレードやオプションの装着された個体を探すといった、細かな仕様にまで注目してお気に入りの個体を求めることができるのも、フリードスパイクの魅力の一つといえそうです。
このように、フリードスパイクはラゲッジルームを重視し、アウトドアを好む人に向けた最高のアイテムです。キャンプやサイクリングを趣味とする人には是非購入を検討してもらいたい一台と思います。